消費者金融のカードローンの契約に申込むと、2段階の審査を受けることになります。1つ目は各消費者金融による独自の審査であり、申込者の個人情報から以下などのことをチェックします。

  • 勤務先は大企業なのか、小規模なのか、どんな業種なのか
  • 就業形態は正社員か、契約社員か
  • 就業状況は安定的なのか、退職や転職を繰り返しているのか
  • 給与は高額なのか、増減の幅が大きくないか
  • 家族状況で生活費の負担は大きくないのか
  • 自宅や不動産などの資産を保有しているのか

上記のことなどから、申込者の借入の可否、貸出金利、利用限度額などを決定します。

そして2つ目の審査が、指定信用情報機関への申込者の信用情報の照会です。申込者の個人情報には問題が無くても、他の貸金業者から高額の借入があったり、返済事故を起こしたりしていれば、貸出は不可となります。

2つの指定信用情報機関

現在、指定信用情報機関にはCICとJICC(日本信用情報機構)の2つがあります。指定信用情報機関というのは、改正貸金業法によって2009年に設定された「指定信用情報機関制度」に基づいて作られた利用者の信用情報を管理する民間の組織のことです。

指定信用情報機関が設置された背景には、貸金業者における利益重視の過剰な貸出や、利用者による返済能力以上の借入によって、自己破産者が多発したことがあります。そこで、自己破産の阻止を目的として、すべての貸金業者に対して指定信用情報機関への加盟を義務化するとともに、指定信用情報機関において全利用者の信用情報の一元管理を行うことになりました。

従って、全ての貸金業者はいずれかの指定信用情報機関に加盟し(両方への加盟も可)、利用者の個人情報や借入、返済などの記録をすべて指定信用情報機関へ登録しなければなりません。また、カードローンの申込を受けた場合は必ず、指定信用情報機関に申込者の信用情報を照会することが義務付けられました。

指定信用情報機関に申込者の信用情報を照会する目的

申込者の信用情報の照会は以下の2つのことを目的としています。

総量規制の枠の確認

現在は貸金業法によって、申込者の年収の3分の1を超える借入が禁止されています。そして、年収の3分の1というのは貸金業者1社からの借入契約の額ではなく、全ての貸金業者からの借入契約の額を合計したものです(銀行は貸金業者ではないため、銀行カードローンの借入額は含まれません)。従って、指定信用情報機関に照会し、申込者が他社からいくらの借入契約があるのかを確認しなければなりません。

なお、誤解している人が少なくありませんが、年収の3分の1というのは実際に借入れしている額ではなく、利用限度額を合計した額です。例えば、甲さんは年収が300万円ですが、A社から20万円の借入残高があり、B社からの借入残高が30万円になっていました。その場合、総量規制からいうと、甲さんはあと50万円(300万円÷3−20万円−30万円)が利用できそうですが、そうはなりません。

仮に、A社の利用限度額が30万円で、B社の利用限度額が50万円だった場合は、あと20万円しか枠が無いことになります。つまり、現在の借入残高は2社を足して50万円であったとしても、いつかは利用限度額いっぱいの80万円に膨らむ可能性があるからです。

ちなみに、クレジット会社も貸金業者であるため、クレジットカードによるキャッシングも貸金業法の管轄になり、総量規制による年収制限の金額に含まれます。ただし、クレジットによる買い物は割賦販売法の適用を受けるため、いくらの残高があったとしても総量規制の対象にはなりません。

事故情報の確認

申込者が他社で返済事故を起こしていたり、延滞をしていたりすれば当然、不良債権になる可能性が高いため、貸出が認められることはありません。

CICとJICCによる信用情報の相互交流

当然、CICとJICCの信用情報が共有されていないと、総量規制の意味がありません。そこで、CICとJICCではそれぞれが持つ利用者の信用情報を定期的に相互交流を図るシステムが構築されています。ちなみに、銀行業界の全国銀行個人信用情報センター(KSC)とも、情報の一部共有が行われています。

なお、信用情報は規定によって以下の期間保管されます。

  • 申込関係:最長6ヶ月間
  • 契約や返済関係:最長5年間
  • 延滞や強制解約関係:状態解消後最長5年間
  • 任意整理関係:最長5年間
  • 公的整理関係:最長10年間

従って、自己破産をすると、10年間はどの業者からもカードローンやクレジットカードの利用ができなくなります。

まとめ

指定信用情報機関の設置によって、各貸金業者が保有する個人情報や信用情報の集約による一元管理が可能になりました。そのことによって、各貸金業者は申込者に対して年収の3分の1を超える過剰な貸出が防止できるようになりました。それが、自己破産という悲劇を無くすことに繋がります。なお、貸金業法によって、申込者が貸金業者1社から50万円を超える借入をする場合、若しくは他の貸金業者からの借入契約額が100万円を超える場合、貸金業者は申込者から収入証明書を受領することが義務付けられています。